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エルフの隠れ家  −Elf Of Retreat−
◆EPISODE.6 エヴァンの反逆者(PAGE.1)
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「ロンティア…ロンティアにとって、アレンってどんなヤツ?」
 セレナのその言葉で、ロンティアはアレンとの奮闘した過去を話し始めた。
「アイツは…たまに人間なのか疑うね。」
そう前置きをつけて、ロンティアはであった頃のアレンの話しを語り始めた。

「アレン・クロフォードって、どいつだ?」
 喧嘩好きの不良、ロンティアが乗り込んだのは…武道部だ。そこには…部員の最後の一人から一本を取り試合を終えたアレンが立っていた。これが、アレンとロンティアがであった日。
 アレンはロンティアの声を聞いていないのか、なにも言わず結った髪を解き更衣室に行こうとしていた。
「オイ!きいてんのか!?」
「ぁあ?なんだ見てたのか…オレになにか用か?」
ロンティアは学校でも有名な暴君だ。部員達は後ずさった。しかしアレンは、怯える仕草もなく冷静だった。
「お前がアレン?…自棄に小柄で静かそうなヤツだな。」
「チビで悪かったな。…で、用件は?」
イラ立つアレン。小柄なのはコンプレックスなのだろうか?
「武道部最強部員、アレン・クロフォード。部長も先生も倒しちまう化けもんだって、そんな噂を聞いてね。だけど…こんなチビだったとはね。…お前、本当に強いのか?」
「…強いんじゃない?」
怪しげに笑う口元と目。そんなアレンを見たロンティアは、アレンが只者じゃないことを感じ取った。
「へぇ…じゃあ、確かめさせてもらうぜ。」
ロンティアはワイシャツの袖をまくり、戦闘心をむき出しにした。アレンも再び髪を結い、受けて立つ体勢だ。
「教えてやるよ…」
そして彼らは拳と蹴りを交えた。
 がっ!
 アレンは防戦一方だ。だが、ロンティアの攻撃を確実に受け流している。本気の攻撃を命中させても、アレンは顔色ひとつ変えずに攻撃を受け流し続けた。
(なんで今のでダウンしねぇんだよ!?…こいつ…ッ)
ロンティアは次第に、自分は今とんでもない化け物と戦っているんじゃないか。人でない者と戦っているような錯覚におちいっていた。錯覚だ!そう言い聞かせるロンティアも、やはり時間がたつにつれて、それは本当に錯覚なのだろうか?とさえ思えてきた。
「どうした?顔が青いぞ。…オレが怖いのか?」
そして…ロンティアは…目の前のアレンの、本性を見た。

 コワイノ? オレガ …ククククク……

 にやりと口を歪め、目を見開き、ケタケタと笑う人形のように、アレンは不気味に笑った。
「な…なにが可笑しい!?」
「だってさ…ニンゲンって、おんなじニンゲンも怖がるんだなぁと思ってね。」
「こ、怖いだと!?誰がお前みたいなチビ!!」
「それとも…オレがニンゲンじゃないとでも、オモッタ?」
時折見せるその笑みは、憎しみから狂気に変わったものだ。人が怖がること、絶望することをまるで喜んでいるかのように、アレンは笑う。その体中から、ひどい殺気をロンティアは感じた。
「お前が人間じゃないかどうかなんて、関係ない。オレは今思った。お前に勝ちたい。」
ロンティアの真っ直ぐな目を見た瞬間、アレンは元の綺麗なルビー色の瞳に戻り、元の不適な笑みを浮かべた。
「いいぜ…勝てるまでやってみろよ。」

 しばらくして…ロンティアは負けた。アレンの…圧倒的強さの前に倒れた。
「お前…マジ、つえぇな。」
勝ったアレンも、長時間の戦いに息を荒げ、汗をかき衰弱していた。
「お前も、なかなかやるじゃないか。」
アレンはぶっ倒れているロンティアに手を差し伸べた。ロンティアは驚いた顔でその手をとった。
「お前との勝負だけは…なんだか、気持ちよかった。」


 それ以来…アレンは本性を外に出してはいない。

 もう二度と、見ることはないだろうと思った。

 あの恐ろしいアレンを…


「そんなことがあったんだ…」
語り終えたロンティアに、セレナは特に驚くこともなくそう言った。
「え…あんま驚いてないみたいだけど…?」
「えぇ…そうね。」
むしろ、語ったロンティアの方が、セレナの意外な反応に驚いている程だった。
「彼はね…そんなことしょっちゅうよ。彼は……」
彼女は意味深な表情を浮べた。それが何を意味するのか、ロンティアはなんとなくわかったような気がした。
「あいつ……人間じゃないのかな。」
「案外、そうかもしれないわね。」



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